持続可能な地域を目指し、「動き出す」を形作るプロジェクト
一般社団法人TOMOSUは、2021年に「第3次奈良市環境基本計画」策定業務を奈良市より受託して取り組みました。【一人ひとりが動き出すなかで、奈良らしい豊かで持続可能な暮らしが生まれるまち】という環境ビジョンを掲げたこの計画では、基本方針の横断的分野である「すべての主体の学びと参加・協働による暮らしの変革」を軸に、5つの基本方針を推進していくことを目指しています。
奈良市環境政策課とともに実施している取り組みをご紹介します。
第3次奈良市環境基本計画策定
(期間:2022年4⽉-2031年3⽉)
2021年度、⼀般社団法⼈TOMOSUは第3次奈良市環境基本計画策定に係る業務を受託し、市⺠ワークショップ(下記参照)、市⺠・事業者・学⽣を対象としたアンケート調査、事業者ヒアリングなどを含む⼀連の計画策定を担当しました。
本計画においては、【奈良らしい豊かで持続可能な社会に関わる人や組織を応援する計画】へと環境政策のコンセプトの転換を測っています。ここでは、持続可能な地域づくりの担い手が行政に閉じることなく、新しい公共私の協力関係のもと、協働して取り組んでいくことが目指されています。
また、環境ビジョンを【一人ひとりが動き出すなかで、奈良らしい豊かで持続可能な暮らしが生まれるまち】と掲げています。環境ビジョンを実現するために、5つの基本方針を設定しました。基本方針はそれぞれ個別に展開するのではなく、横断的分野である「すべての主体の学びと参加・協働による暮らしの変革」を軸に連動して推進することが重要と考えています。
計画期間は、2022年4月より2031年3月までの10年間です(3〜5年ごとに見直しあり)。私たちは、この計画を核とし、奈良市環境政策課とさまざまな取り組みを進めていきます。
▶第3次奈良市環境基本計画について、詳しくはこちら(奈良市HP)
動き出すSDGs2050 -第3次奈良市環境基本計画策定ワークショップ-
(2021年8⽉開催)
2021年に実施した、計画策定のための市民ワークショップ。新型コロナウィルスの感染拡大状況を鑑み、オンラインの開催となりました。「環境」のみならず、「経済」「社会」を含めた統合的視点を取り入れながら、持続的なまちをつくる取り組みを一緒に考えていきました。ご参加者の興味関心・やりたいこと・日頃もやもやしていることなどの想いを大事に、レクチャーやグループワークでの意見交換を通して想いを深め、アイデアを広げていくことで参加者の「動き出し」が加速することが目指されました。
【概要】
⽇時:2021年8⽉28⽇(⼟)14:00-17:00
対象:⾼校⽣以上の市⺠または市内在勤・在学の⽅。※託児サービスあり
参加費:無料
場所:オンライン(現地開催の予定が、新型コロナウィルスの状況を鑑み変更)
主催:奈良市環境政策課 企画・運営:⼀般社団法⼈TOMOSU
動き出すSDGs2050-持続可能な地域を一緒につくるワークショップ-
(2022年8月-10月開催)
2022年の夏から秋にかけて実施した、持続可能な地域に向けた活動を共創していくワークショップ(主催:奈良市)。『地球と共に創ろう』『サーキュラー視点で見る世界』『持続可能な地域へのアクション』という3つのテーマで、多様なゲストと共にプログラムを実施しました。講演を聞いたり、自分の根っこの思いと向き合ったり、仲間と対話をしたりしながら、じっくり共創活動をデザインしていくことを目指しました。
【概要】
日時:〈全3回〉2022年8月27日(土)・9月10日(土)・10月22日(土)いずれも13時~17時
場所: BONCHI 3階会議室
内容:ゲストの講演+ワークショップ
対象:高校生以上 ※奈良県外参加可
参加費:無料
主催:奈良市
第1回(8/27) テーマ:『地球と共に創ろう』
ゲスト:三田 愛さん(株式会社リクルート じゃらんリサーチセンター研究員 兼 サステナビリティ推進室/「コクリ!プロジェクト」創始者/英治出版株式会社フェロー)
10年間さまざまな地域で「コクリ!」の活動を積み重ねて来られた三田愛さんにお話を伺いました。その後、自分や他者の想いを深ぼる「根っことつながるストーリーテリング」や、森の中での「感性をひらくワーク」を行いました。肩書きや立場をはずした「コクリエーティブ(共創的)な状態」を体験してみる試みでした。
第2回⽬(9/10) テーマ:『サーキュラー視点で⾒る世界』
ゲスト:安居昭博さん(Circular Initiatives&Partners代表/サーキュラーエコノミー研究家)
サーキュラーエコノミーの研究家・安居昭博さんから欧州を中心に世界中に広がるサーキュラーエコノミー(循環経済)の最新の潮流を学びました。また、そうして手に入れた「サーキュラーなメガネ(見方)」で奈良のフィールドを眺めてみて、今まで見過ごしてきたモノ・コトに焦点を当て、仲間とともに、それらを生かしていくストーリーを考えました。
第3回(10/22) テーマ:『持続可能な地域へのアクション』
ゲスト:
松本梓さん(チアフル株式会社 代表取締役/「jiwajiwa」)
保科政秀さん(農業生産法人有限会社ポニーの里ファーム 統括マネージャー)
奈良を舞台に地球や社会にやさしい活動をされているjiwajiwaの松本梓さん、ポニーの里ファームの保科政秀さんによる講演とパネルディスカッションから、事例を学び、活動をはじめていくためのイメージを膨らませました。その後、「この指とまれ OST(オープン・スペース・テクノロジー)」として、各々がこれまでのプログラムを通して浮かんだ/深まった「やりたいこと」を紙に書いて発表し、仲間で対話をする時間を持ちました。
〈プロジェクトの今とこれから〉
こうしたワークショップは、数日間の実施であり、その期間のみで特定の地域課題に対する具体的な解決策を結論づけることはできません。それよりも、ワークショップ内では「自分の根っこの想いに向き合う」「仲間の物語に耳を傾ける」「新たな視点でものごとを見つめる」「1つのテーマを巡り多様な意見を出し合う」などのプログラムを実施することで、ここを起点として継続的な活動が生まれていくことを目指しています。これまでの取り組みを通じ、「社会や地域に対してアクションを起こしたい」という思いを持つ人たちが集まり、何か新しい活動が生まれそうな兆しが見えてきています。その輪は、少しずつ、着実に、大きくなっています。
第3次奈良市環境基本計画を核とした「動き出すSDGs2050」のムーブメントは、それ自体に閉じたものではなく、有機的なつながりの中でだんだんと育っていくものと捉えています。たとえば、活動を起こしていく中で困ったことがあれば、創業支援機能も持つBONCHIの機能・サービスを利用したり、奈良市の専門窓口のネットワークも活かしたりすることができます。
このプロジェクトはまだ始まったばかり。今後も新たな取り組みを進めていきます。